書籍・雑誌

2017年3月 8日 (水)

えんとつ町のプペル

岐阜市図書館で借りた。昨年秋に刊行された人気の絵本である。製作に4年半を費やしたという。

ゴミ人間であるプペルとえんとつ掃除のルビッチの物語である。ルビッチは漁師の子であるが父は波にのまれて死んでしまい、えんとつ掃除夫になった。

プペルとはハロウインのとき知り合った。

プペルはルビッチの父の船に風船をつけて、2人で乗って星を観に行った。えんとつからただよう煙多い街で星は見れないが、父から星の美しさを聞いていた。

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ルビッチはただ一つしかない父親の写真が入った大事な銀色のペンダントを煙突掃除中に亡くしてしまった。

船はけむりを抜けて美しい星の世界に入っていった。

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写真の入ったペンダントはプペルの傘についていた。星も見れたしプペルに感謝していたがプペルは父親であったそうだ。

街は千と千尋の神隠しの情景や四日市を思い出せる。ネットで無料公開している。

2013年3月21日 (木)

リポ蛋白(a)

血液中のコレステロールはよく聞く成分である。LDLコレステロールやHDLコレステロールという成分も耳に慣れてきた。

LDLやHDLが「リポ蛋白」である。血液に溶けないコレステロールなどの脂質をこのリポ蛋白に乗っけて体の中を運搬する。

さて、リポ蛋白の1種である「リポ蛋白(a)」(略してLp(a))は1963年スェーデンの遺伝学者が発見して50年になる。日本において恩師川出先生が初めて手がけられて30年経過した。

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インスブルグで半年にわたってお世話になったウッタマン(Utermann)博士が50年を記念して25ページにおよぶ総説を書いた。

Lp(a)はLDLにアポ蛋白(a)(Apo(a))をもつユニークな構造である。

Apo(a)は血液線溶因子であるプラスミノゲンと類似した構造(クリングル, kringle)をもつ。その数は人により異なる(Kringle repeat)。この構造が血液線溶因子と競合して脳梗塞などのリスクを発生させる。

図中、黄色コアにアポ蛋白B(ApoB)をつけたのがLDLで時に悪者になる。最近、Lp(a)は酸化LDLの性質をもつと研究されて大悪者と思われる。

今でこそ、すっかり研究の熱はさめてしまったが、なお謎は残ったままである。

血清中の成分量はほぼ0.1から、100mg/dlという1000倍もの濃度幅で分布する。最も多い濃度は約10mg/dlである。高濃度な人ほど動脈硬化症などの病気になるリスクが高いことが解っている。

進化したサルと人にのみ存在する。体内でビタミンCを合成できない種属にのみあるとされ、組織の修復に役だっているとも考えられている。

担当した「臨床検査ガイド2013-2014」(文光堂)が3月に発刊されたのを期して書き留めた。

引用文献

Angelin B. J Intern Med, 273, 3-5, 2013(図を引用した)

Kronenberg F,et al. J Intern Med, 273, 6-30, 2013

2013年1月15日 (火)

舟を編む

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三浦しをんの「舟を編む」(光文社)を岐阜市図書館で借りて読んだ。2012年の本屋大賞を受賞した人気本だけあって、3ケ月近く待った。神保町にある500人程の出版社で、「大渡海」という国語辞典を編纂して出版するに至るまでのドラマである。

「大渡海」は言葉の大海原を航海するための船という意から名付けられ、その編纂作業を「舟を編む」としている。イキなタイトルである。

国語辞典は膨大なお金と時間を費やす。実に企画から出版まで15年かかった。企画は荒木と外部監修の松本先生で始まった。荒木は出版直前に定年になって嘱託社員になる。フットワークの軽い西岡と契約女性社員の佐々木が加わり、さらに主人公の入社間もない馬締(まじめ)が営業部から配属になる。後半に社内女性ファッション紙部署から岸辺が配属される。

まじめは元の学生下宿から通勤しており変人扱いされていた。下宿大家の孫娘で、湯島の「梅の実」で板前修行中の香具矢と結婚する。まじめと香具矢の恋は、漢詩調のラブレターを出して理解されず、また後楽園遊園地でデートするがメリーゴーランドや観覧車に乗るがキスもしない。猫のトラが二人の恋をまとめたようだ。香具矢は神楽坂に割烹「月の裏」という店を営むようになる。

西岡については香具矢に気を寄せるが、最終的にブス女性麗美と深くなる情景が描かれている。

辞典はめでたく出版される。まじめの細かな心配りと真面目さが成功に結びついた。しかし、出版直前の4校目になって大事な語句「血潮・血汐」が抜けていることに気付き、編集スタッフは1か月間合宿して期限に間に合わせる。監修の松本先生は残念なことに出版を見ず食道癌で他界する。松本先生の具合が悪くなった時期スタッフたちの描写に感銘した。

辞典の編纂はまず「用例採集カード」に日常に気づいた用語を書き留めていく。辞典中のいろいろな語句が無理なく説明されている。辞典の用紙に薄く、ぬめり感のある、裏写りしない究極の紙が特別に開発された。プライドの高い外部原稿依頼者とのやりとりの難しさも描かれている。

4月に映画化される。香具矢を宮崎あおいが演じるが、辞典の地味な編纂作業、登場人物の繊細な描写に期待したい。

2011年8月19日 (金)

下町ロケット

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8月21日直木賞受賞が決まった「下町ロケット」(池井戸 潤、小学館刊)を読んだ。

ロケット部品の水素エンジンの燃料供給バルブの先端技術を開発し、同種の大企業にエンジンを供給して種子島からロケットを発射成功するまでの下町製作所社長の苦難な物語である。

下町会社の社長佃は元宇宙科学開発機構の研究員であった。大学時代の研究員と結婚したが、仕事のことで妻は離婚し出る。家庭は一人娘と母との暮らしになる。父の製作所を受けついだ。開発した水素エンジンと燃料供給バルブの技術は高度であった。しかし会社運営に必要な資金融資には理解されなく、またその技術を買ってくれる会社は甘くなく苦しむ。

外国企業からの買収、技術特許のいざこざ、社員と自分の夢の違いなどが物語られる。このエンジンは将来車やそのバルブ技術は人工心臓にも応用可能だそうだ。

最終的には製品の品質と会社のプライドをつらぬいて成功することになる。また、そこに行きつく、いろんな人とのつながりが大事であることが納得される。

図書館から借りたが、400ページもあるが興味ぶかく速く読めた。21日からWOWOでもドラマ放送が始まる。

著者は岐阜県生まれ、銀行員を退職して作家になった。かって江戸川乱歩賞を取っている。さすが読みやすかった。登場人物が50人近く出てくるのでメモして読んだ。