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2020年6月 6日 (土)

白の闇

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ジョゼ・サラマーゴ(雨沢泰訳)著NHK出版「白の闇」を読んだ。著者はポルトガルのリスボン生まれで、1998年ノーベル文学賞受賞者である。本書は1995年に刊行されたが、2008年映画化に伴い新装版となった。映画は"Blindness"と云うタイトルでブラジル人の監督、キャストに日本人伊勢谷友介、木村佳乃が夫婦役で出演しているそうだ。

物語は、ある男が突然町の交差点で失明する(最初に失明した男)。視界が真っ白になる失明である。この失明は原因不明のままどんどん無差別に伝染し、失明者は隔離されやがてすべての人間が視覚を失う。主な登場人物は「最初に失明した男」とその妻、男を診察した眼科の「医者」とその妻、医者に罹っていた「サングラスの娘」、「斜視の少年」、「黒い眼帯の老人」の7人である。

7人の隔離された病院は精神病院である。そこには300人隔離されており軍隊に監視され、環境はすさまじく汚く食糧も欠乏している。部屋は排泄物の臭いが充満するし、レイプがおきる。人間が理性や尊厳の念を失った究極の状態が想像される描写である。私は戦争の経験は無いが、街が廃墟となり秩序もなくなると、こんなにすさまじくなるのか怖かった。新型コロナの感染性を思う怖い小説であった。

▼新型コロナの緊急事態が解除され、少しづつであるが元の生活に戻りつつある。いろいろな趣味の会が再開され第2波を恐れつつ参加している。

世界の感染者は664万人、死者は39万人である。我が国は感染者1万7064人、死者907人であり、他国に比べて幸いな状況でいろいろ論じられている。BCGワクチンの影響や国民の対応性の違いとかである。

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