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2013年3月21日 (木)

リポ蛋白(a)

血液中のコレステロールはよく聞く成分である。LDLコレステロールやHDLコレステロールという成分も耳に慣れてきた。

LDLやHDLが「リポ蛋白」である。血液に溶けないコレステロールなどの脂質をこのリポ蛋白に乗っけて体の中を運搬する。

さて、リポ蛋白の1種である「リポ蛋白(a)」(略してLp(a))は1963年スェーデンの遺伝学者が発見して50年になる。日本において恩師川出先生が初めて手がけられて30年経過した。

Lpa_2
インスブルグで半年にわたってお世話になったウッタマン(Utermann)博士が50年を記念して25ページにおよぶ総説を書いた。

Lp(a)はLDLにアポ蛋白(a)(Apo(a))をもつユニークな構造である。

Apo(a)は血液線溶因子であるプラスミノゲンと類似した構造(クリングル, kringle)をもつ。その数は人により異なる(Kringle repeat)。この構造が血液線溶因子と競合して脳梗塞などのリスクを発生させる。

図中、黄色コアにアポ蛋白B(ApoB)をつけたのがLDLで時に悪者になる。最近、Lp(a)は酸化LDLの性質をもつと研究されて大悪者と思われる。

今でこそ、すっかり研究の熱はさめてしまったが、なお謎は残ったままである。

血清中の成分量はほぼ0.1から、100mg/dlという1000倍もの濃度幅で分布する。最も多い濃度は約10mg/dlである。高濃度な人ほど動脈硬化症などの病気になるリスクが高いことが解っている。

進化したサルと人にのみ存在する。体内でビタミンCを合成できない種属にのみあるとされ、組織の修復に役だっているとも考えられている。

担当した「臨床検査ガイド2013-2014」(文光堂)が3月に発刊されたのを期して書き留めた。

引用文献

Angelin B. J Intern Med, 273, 3-5, 2013(図を引用した)

Kronenberg F,et al. J Intern Med, 273, 6-30, 2013

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